小説のテーマ選びは、作品の方向性を大きく左右する意味で、非常に重要です。
テーマをじっくりと考えて固めておくことで、より円滑に執筆を進めることができます。
そこで本コラムでは、テーマを選ぶ際の心がけ、個性を出すための工夫について解説していきます。
人目につく小説を書こうとすると、つい奇をてらったテーマを選んでしまいがちです。
しかし、小説のテーマは普遍的でなければなりません。
読者が作品に自身との共通項を見出すことで、共感や好意(あるいは反感や敵意)といった感情が生まれるからです。
あまりに奇をてらったテーマを選ぶと、読者にとっては自分と無関係な、何の感情も動かされない小説になってしまいます。
では、小説の普遍的なテーマとはどのようなものなのでしょう。
以下がその典型例です。
・家族愛
・恋愛
・友情
・人への感謝、喜び
・人への憎悪、恨み
・争い
・死
これらの例から分かるとおり、多くの方の人生に必ずと言ってよいほど登場するイベントが、典型的なテーマとなります。
みなさんの心惹かれるテーマは見つけられたでしょうか。
さてここで、次のような疑問をもつ方がいらっしゃるかもしれません。
「普遍的なテーマを選ぶと、ありきたりな作品になってしまうのではないか?」
しかし実のところ、決してそんなことはありません。
以下ではこの疑問にお答えしましょう。
作品のオリジナリティは、普遍的なテーマの先に見えてくるものです。
人気小説を参考に、男女の恋愛をテーマにした場合について考えてみましょう。
取り上げるのは、有川浩先生が執筆した恋愛小説『植物図鑑』です。
本作は累計80万部超えのベストセラーとなり、2016年には映画化も決定しています。
有川先生の作品は、恋愛ドラマに独自の世界観が組み合わさっていることが魅力です。
当初『植物図鑑』はケータイ小説として連載されており、若年層の女性をターゲットとしたOLと青年の恋愛小説でした。
一見すると定番の恋愛小説ですが、登場する男性キャラクターが「植物オタク」であることが本作の独創性です。
この設定があるため、二人のデートも野草の採集という一風変わった仕上がりになっています。
このように、普遍的な男女の恋愛がテーマであっても、些細な設定の工夫だけで小説のオリジナリティがぐっと増しますね。
まずは普遍的なテーマをひとつ選び、そこにオリジナルの要素を加えてみましょう。
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