2016年度上半期ベストセラーが発表されました。
(集計期間:2015.11.27~2016.5.25 ※日販調べ)
結果は以下の通りです。
【ランキング】
1.『天才』(石原慎太郎、幻冬舎)
2.『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』
(カール=ヨハン・エリーン、三橋美穂監訳、飛鳥新社)
3.『羊と鋼の森』(宮下奈都、文藝春秋)
4.『君の膵臓をたべたい』(住野よる、双葉社)
5.『火花』(又吉直樹、文藝春秋)
6.『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
(岸見一郎、古賀史健、ダイヤモンド社)
7.「置かれた場所で咲きなさい」(渡辺和子、幻冬舎)
8.『正義の法』(大川隆法、幸福の科学出版)
9.『超一流の雑談力』(安田正、文響社)
10.『つくおき 週末まとめて作り置きレシピ』(nozomi、光文社)
多くの書籍が販売されているなかで、ベストセラーといわれる書籍はほんの一部です。
ではベストセラーになる書籍は、そのほかの書籍と一体なにが違うのでしょうか?
今回は、2016年上半期売り上げランキングからヒットの秘訣を探っていきます。
2016年上半期売り上げ1位は石原慎太郎『天才』(幻冬舎)です。
『天才』はなぜ売り上げ一位を獲得することができたのでしょうか?
その答えは、本作品の“出版タイミング”に見ることができます。
実は今、ひそかな「田中角栄ブーム」が巻き起こっているのです。
書店に行くと、田中角栄関連の本が数点陳列されています。
また、テレビなど各メディアでも取り上げられることが多くなりました。
田中角栄ブームの裏には、リーダーシップ不足への不満、政治状況に対する閉塞感など日本における政治不信が挙げられるでしょう。
その状況下、田中角栄氏の生涯を一人称で綴った小説が『天才』です。
ブームに先駆けて出版した上、一人称の小説にするという今までにない新しい表現がヒットの秘訣となったのです。
売り上げランキング3位、4位は、それぞれ『羊と鋼の森』(2016年本屋大賞受賞)、『君の膵臓をたべたい』(2016年本屋大賞第2位受賞)となっています。
本屋大賞は、書店が最も売りたい作品を決める賞ですから、各書店、店頭でのプロモーションに力を入れていきます。
その結果多くの読者の目に留まり、売り上げが伸びていくのです。
ランキング5位の『火花』は、2015年の芥川賞受賞作です。
1年前の作品が、なぜいまだ売れ続けているのでしょうか?
実は、『火花』は動画配信サイトでドラマ化され、
2016年春から全10話が一挙配信されたのです。
その結果ブームが再熱し、原作がさらに読まれているのです。
このように、小説やマンガを映画化、TVドラマ化することを「メディアミックス」といいます。
書籍の映像化は話題になりやすく、また書籍の再ブームにも繫がるため、
多くの出版社がメディアミックスに力を入れています。
いかがでしたでしょうか?
書籍が売れるのはその内容が素晴らしいだけでなく、さまざまな要因が組み合わさっているのですね。
皆様も出版をお考えになる際には、
まずは「タイミングを逃さないこと」を意識してみてくださいね♪
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