児童文学、絵本、童話など、子ども向け書籍の出版や作家デビューを目指すにあたり、皆さんはどのように情報収集をしていますか?
自分ひとりで描いていて、他の作家情報はあまり知らない、作家講座や教室の講師・友人たちから情報を得ている、書店や図書館でたくさんの絵本を読んでいる…等々、子供向け書籍や作家情報を集める手段は様々です。
そこで今回は、現役作家・作家志望者の方に役立つメディアやコンクール情報をお届けします。
日本児童文学者協会は、1946年に創立された児童文学の作家、詩人、翻訳家、評論家などで構成されている文学運動団体です。代表者は作家である丘修三氏。全国に21の支部が存在し、関西地区を活動拠点としています。会員は約900名。
児童文学の作家団体として著作権や研究に取り組んでいるほか、隔月刊誌『日本児童文学』を発行しており、話題の児童文学や作家の紹介、コンクールによる作品募集の旨が掲載されています。児童文学についての情報収集はもちろん、原稿応募によるチャレンジも出来ますから、ぜひ内容を確認してみてください。
日本児童文芸家協会は、児童文芸関する職業に従事する人々が集まった団体で、1955年に設立されました。児童文芸の創造発展と社会文化の向上に寄与することを目的としています。こちらも隔月刊誌『児童文芸』を刊行しています。児童文学に関する評論や提言、ベテラン・新人作家の作品紹介、投稿作品に対する書評なども行っているため、原稿を応募し感触を確かめるのにも適していますね。
日本児童文学学会は、協力学術研究団体に登録されている児童文学・児童文化の研究社の団体です。1962年の設立し、研究発表会や講演会、展覧会などを随時開催しているようです。また、会員向けに年2回『日本児童文学会会報』を発行したり、日本児童文学学会賞を設ける等の活動を行っています。児童文学そのものについてもっと知りたい、研究者として活躍したいといった方に向いています。
絵本・児童文学研究センターは、生涯教育として児童文化(絵本・児童文学など)の研究を行っている機関です。さらに他の機関と異なるのは、『大人にとっての児童文化』という観点で絵本や児童文学を振興・普及活動を行っている点です。また、毎年未発表作品を対象とした『児童文学ファンタジー大賞』を開催しており、作家志望者がチャレンジできる機会も設けています。
学校図書館の充実発展と青少年読書の振興を図る団体、全国学校図書館協議会は、毎年学校単位で『青少年読書感想文コンクール』を実施しています。いわゆる長期休みの宿題として出されている、読書感想文です。このコンクールの題材として選ばれる児童書が、『課題図書』。同会が選定しています。コンクールにチャレンジする子ども達はもちろん、学校や文芸関係者からも注目を集めるイベントですから、その年に選ばれた課題図書も注目されます。
課題図書の選定基準は『一般基準』と『部門別基準』に分けられ、一般基準は児童書の内容(知識・教養のためになり教育活動に役立つものか)、表現、構成、造本・印刷についての基準になります。部門別基準は百科事典や図鑑、絵本と言ったジャンル毎の基準を設けています。
課題図書に選ばれる書籍は全18点で、同会が毎年選定する約5,000点の中からさらに厳しい基準をクリアした書籍が該当します。いずれにしても、課題図書は多数の児童書から選ばれた優秀な作品であるという位置づけのため、児童書の作家志望者であれば、一度は読んでみるべきではないでしょうか。
なお、2014年の課題図書となった書籍は以下のとおりです。
・小学校低学年
まよなかのたんじょうかい
どこかいきのバス
ミルクこぼしちゃだめよ!
ひまわり
・小学校中学年
ともだちは、サティー!
ただいま!マラング村:タンザニアの男の子のお話
ちきゅうがウンチだらけにならないわけ
よかたい先生:水俣から世界を見続けた医師―原田正純
・小学校高学年
ふたり
マッチ箱日記
時をつなぐおもちゃの犬
カブトムシ山に帰る
(出典:全国学校図書館協議会「過去の課題図書 第51回~第60回(2005年度~2014年度)」)
他にも、1962年度、第8回のコンクール分から公開されていますから参考にしてみましょう。
児童文学、童話作家を目指す方のために、毎年多くのコンクールが開催されています。より良い作品を作るためにも、こうしたものにチャレンジしてみるのも一業です。
講談社児童文学新人賞
ポプラズッコケ文学新人賞
集英社みらい文庫大賞
福島正実記念SF童話賞
新美南吉童話賞v小川未明文学賞
森三郎童話賞
グリム童話賞
阿賀北ロマン賞
ちゅうでん児童文学賞
日本児童文芸家協会賞
日本動物児童文学賞
おひさま絵本・童話大賞
児童文学ファンタジー大賞
創作童話・絵本・デジタル絵本コンテスト
子どものための感動ノンフィクション大賞
JX-ENEOS童話賞
日産 童話と絵本のグランプリ
ジュニア冒険小説大賞
日本新薬こども文学賞
北日本児童文学賞
朝日学生新聞社児童文学賞
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