コラム

占いブーム×本の歴史②**

 

前回、占いブームをもたらした書籍の特徴について紹介しました。この占いと書籍の深ーい関係、平成に入ってからも続きます。今回は、占いがビジネス(第四次産業)として注目されるようになった、1988年以降を見ていこうと思います。

 

 

占い需要層の低年齢化

 

1988~89年頃になると、少女からOLまで幅広い層の女性が「おまじない」に熱中する傾向が見られるようになりました。それ以前から一大ブームとなっていた細木和子さんの『六星占術が教える先祖供養』がベストセラーとなったものの、この新たな占い受容層を取り込むことができず、おまじない本へと風潮が移り変わっていきます。

例としては、「おまじないブームの仕掛け人」ともいわれているマーク矢崎さんの『キョンシーのおまじないお札100枚』『決定版おまじないの本』、ほかにも『すてきな恋のおまじない』など数多くの人気を博しました。

タイトルからも、対象年齢が低くなっているように感じられませんか?

 

動物占いブーム

 

20世紀突入とともに現れたのが「動物占い」です。

 コミック誌の連載が文庫本として売り出されたことをきっかけに、若い女性の間で「よく当たる」と評判になり、半年間で162万部の大ヒットをもたらしました。生年月日からライオン、トラ、ひつじなど12種の動物の1つを特定して自分の性格なのか占うもので、その後も数々の関連本が出版されました。目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

 近年でも、当時女子高生だった世代向けに「帰ってきた大人の動物占い」として内容の進化した書籍が発行されています。昔に戻った気分で、改めて読んでみるのもいいかもしれませんね。

 

血液型ブーム到来

 

占いとは若干毛色が異なりますが、血液型ブームは記憶に新しいのではないでしょうか。大ブレイクのきっかけとなったのが、2008年に一躍話題となった『B型自分の説明書』。実はこの書籍、ほとんど流通させないつもりで制作された自費出版なのです!

 書店員が店頭で「仕掛け販売」を行ったことで、諸保安1000部が累計160万部にまで伸び間した。その後A型、O型、AB型版も発行され、いずれも2008年の総合年間ベストセラー10にランクインしています(トーハン調べ)。

 

占い=コミュニケーションツール

 

平成に入ってからの占いブームはどれも、受容層の低年齢化から「手軽さ」が重視されたものになっています。

「みんなでわいわい楽しみながら占う」一種のコミュニケーションツールとして注目を集めているのが、現在の特徴であるといえます。手軽なものとなっても、ブームの背景には必ず書籍の存在がある「占い」。

定期的に占いブームが発生すつ限り、今後もこの二つの関係は続いていくのではないでしょうか。

関連記事

幻冬舎ルネッサンス新社では、本を作る楽しみを自費出版という形でお手伝いしております。
原稿応募、出版の相談、お問い合わせ、資料請求まで、お気軽にご連絡ください。

  • ポイント1

    お問い合わせいただきましたら、担当の編集者がご対応いたします。

  • ポイント2

    原稿内容やご要望に沿ったご提案やお見積もりをご提示いたします。

  • ポイント3

    幻冬舎グループ特約店(150法人3,500書店)を中心とした全国書店への流通展開を行います。

テキストのコピーはできません。