コラム

「写真集をつくるために長年かけてたくさんの写真を撮ってきたのですが、自信が持てません。」/出版のお悩み相談**

 

今回の「出版のお悩み相談」コラムでは、近年人気の写真集出版に関するお悩みです。

定年後の趣味として写真を始める方も多くいらっしゃいますが、最近はスマートフォンとSNSの登場によって気軽に写真を撮影して投稿し、誰かに見てもらえるようになりました。

SNSから人気が出て書籍化されるケースも珍しくありません。

 

今回はそんな写真集制作に関するお悩みです。

 

ご相談
「写真集をつくるために長年かけてたくさんの写真を撮ってきたのですが、出版するほど魅力的なものなのか、技術が十分なのかなど、自信が持てません。どう不安を解消すればいいのでしょうか。」

 

編集者からのアドバイス

長年撮影をされてきたものの、技術面など自信が持てないとのことですが、そういった場合の問題は技術ではなく、写真集に必要なポイントをおさえられていないからかもしれません。

 

ポイント①テーマを設定する

 

写真集づくりにおいては技術ももちろん重要ですが、まず考えなくてはいけないのはテーマ・コンセプトです。

「最高の一枚」の寄せ集めでは写真集としての価値はなく、見た人に何かを伝えることもできません。

自分だけのオリジナリティを連続で表現してこその写真集です。

このようにお話しすると、「自分だけのオリジナリティなんてありません。」と、多くの方がおっしゃいます。本当にそうでしょうか。

これまで撮ってきた写真を机に並べてみてください。対象物との距離感、構図や光加減に共通点が何かしら見えてくるはずです。

なぜその共通点は生まれたのでしょうか。そこにあなたのオリジナリティはあります。

自分だけでなく、誰かに見てもらってもいいかもしれません。

必ずあなたの独自性は存在し、その独自性こそが写真集に必要なテーマになります。

それが見つけられたら、今度はその独自性をテーマにして今までにないアプローチを試みるなど、表現に幅を持たせましょう。

テーマは考えるのではなく、既に持っているのです。

 

 

ポイント②構成を考える

 

テーマに決めた写真を複数撮影することができたら、次は構成(写真の並び)を考えましょう。

写真を選定するところまでで写真集コンテンツを完成と考えてしまう方もいますが、並び順によって見る人に与えられる印象は大きく変わります。

テーマ設定のときと同じように、使いたい写真を机の上で横一列に並べてみましょう。

とてもしっくりくる部分と、ぶつかり合ってしまって嫌な感じがする部分があるはずです。ひとつひとつを空いたスペースの中央に置いて眺めるのと、連続した並びにして眺めるのとでは見え方が変わります。

並び替えの方法としては、共通点が多いものを横に続ける構成と、印象が逆のものを対象になるように交互に並べる構成があります。

どちらもうまくいかない場合は、テーマを見直すか、見開きの片側のみに写真を配置し、残りのページにはテキストのみを置く構成もあります。

自分が好きな対象物や構図で、できばえが非常に良いものを前半に連続させて並べてしまいがちですが、その写真の魅力を伝え易くするためには、あえて雰囲気の違う写真を間にいれることも時には重要です。

 

 

以上の2つのポイントをおさえたうえで改めて写真集のことを考えると、今まで見えなかった魅力に気づいたり、写真集の完成のために足りない1枚が見えてくるはずです。

自身の好きなテーマとそれを最大限に伝える構成について、ゆっくりと考えてみてください

 

 

関連記事

幻冬舎ルネッサンス新社では、本を作る楽しみを自費出版という形でお手伝いしております。
原稿応募、出版の相談、お問い合わせ、資料請求まで、お気軽にご連絡ください。

  • ポイント1

    お問い合わせいただきましたら、担当の編集者がご対応いたします。

  • ポイント2

    原稿内容やご要望に沿ったご提案やお見積もりをご提示いたします。

  • ポイント3

    幻冬舎グループ特約店(150法人3,500書店)を中心とした全国書店への流通展開を行います。

テキストのコピーはできません。