スマートフォンやミラーレス一眼カメラの普及により、誰でも簡単にきれいな写真を撮ることができるようになりました。
撮り溜めた写真を、より多くの方に見てほしい──そうお考えの方のために、写真集制作という選択肢があります。
本コラムでは、写真集をつくる前にしておくべき三つの準備をご紹介します。
あなたはなぜ写真集を作りたいのでしょう。
写真にはさまざまな役割があります。
例えば、被写体に広大な大自然を選択する場合であっても、そこに込められる意味合いはさまざまです。
雄大な自然を「絶景」として捉え、彩り豊かな美術的価値をもつものとして捉えた写真集。
今まさに失われつつある美しい自然を、守るべき「財産」として捉え、環境破壊に警鐘を鳴らすための写真集。
前者であれば、写真がもつビジュアル的な力を強調し、写真を大きく1ページに配するなどの見せ方が考えられます。
一方後者では、場合によってはキャプションを入れるなどして、写真に込めた作者の意図を伝えることも重要となります。
さらにその文章がルポルタージュ形式なのか、はたまた詩的な色を帯びるのかによっても、フォントや文字サイズはさまざまに変わるはずです。
書籍づくりの過程で決して失ってはいけないのが目的意識。
迷ったときには「なぜ?」を自身に問い直すことで、原点に立ち返ってみましょう。
写真集制作の目的が定まることで、写真だけの美しさで勝負するのか、言葉のメッセージ性も含めて伝えるのかなど、写真集の性格そのものが変わることがわかりました。
掲載する写真の枚数をあらかじめ決めておくと、書籍のページ数やサイズも、大まかにイメージしておくことができます。
掲載を検討している写真は全部で何枚あるか、1ページにいくつの写真を掲載したいかによって、ページ数を概算で割り出すことができます。
参考までに、写真集は64、80、96ページのいずれかが一般的です。
(※書籍のページ数は一般的に16の倍数になっています。詳しくは弊社コラム「工芸製本が出来るまで 〜ルリユールの作業工程を知る」をご一読ください)
写真のインパクトを高めたいときや、1ページに複数の写真を掲載したい場合には、書籍のサイズそのものを大きくするという選択肢もありえます。
細部が重要になる写真集では、A4判という297×210mmとやや大きめのサイズにするのが一般的です。
一方で、小さくて可愛らしい子犬や子猫の写真集などは、それに合わせて書籍サイズも小さくすることもあります。
このように、作者の自由にサイズをカスタマイズする余地があることも、写真集の魅力の一つといえます。
スマートフォンで撮影するにしろ一眼レフで撮影するにしろ、大前提として必ず注意しなければならないのが「解像度」です。
自慢の写真が、写真集用に拡大してみたら粗い画質だった──となってはショックですよね。
基本的に350dpi(「dpi」=画素数の単位。数字が大きいほど高画質になる)以上あれば、写真集にするには問題ないとされています。
細部にこだわるためにも、画素数は必ずご確認のうえで写真集を制作してみましょう。
最後に、本コラムでご紹介した内容をおさらいしましょう。
・書籍制作の過程で、目的意識だけは決して失ってはいけない。
・目的が決まれば、自然とページ数やサイズなど書籍の詳細も固まってくる。
・画素数は必ずチェック。拡大してみたらガッカリ、とならないよう注意しよう。
上記を踏まえ、満足のいく出版ができるように準備をしてみてくださいね。
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