誰もが興味を引くアイデアは、なにか特別な経験を積み、変わった視点で物事を見られる人にしか生み出せないものだと思っていませんか?
これからご紹介する内容は、どうすれば企画となりうるアイデアを生み出すことができるのか?という趣旨です。
そのアイデアが受け入れられる時期はいつなのか、どの層が特に食いついてくれるのか……。
それはタイミングに左右される側面も強く、「時代を先取りすぎていた」ということも往々にしてあります。
しかし、以下の道具立てを備えておくことで、いくつも企画を立てられることができれば、時世にマッチした、人々をぐっと惹きつけるアイデアがうまれるかもしれません。
面白い企画や物語は、細部までつくり込まれていて、たくさんのアイデアが詰め込まれた、複雑な要素から成っているように見えます。
小説、ビジネス書、ダイエット本、コミックス、どんな書籍でも、書籍というかたちにするために、膨大な量の文字・画が必要とされます。
出版してみたいという気持ちがあっても、そんな形に持っていくほどのアイデアは自分にはない、と引け目を感じる人もあるかもしれません。
しかし、アイデアの時点では、シンプルであればあるほど、その魅力を発揮します。
ある編集者曰く、「ヒットした作品のほとんどは、40字以内でその概要を伝えられる」というのです。
例えば、世界的ヒット作『ONE PIECE』なら、「海賊王を志す少年ルフィが、仲間とともに大秘宝ワンピースを探す冒険物語」(34字)、弊社のミリオンセラー『心を整える』なら、「有名サッカー選手の長谷部誠が行うメンタルコントロール術が56項目まとめられた本」(37字)といった具合で、その作品の内容が伝わるのではないでしょうか。
この40字以内という核が強固であれば、物語に広がりをもたせる余地が生まれます。
40字に収まるようなアイデアは、もっとシンプルにすることができます。それが、「要素×要素」の組み合わせです。
上記の『ONE PIECE』では、「冒険×友情」、『心を整える』ならば、「サッカー選手×自己啓発」といった感じでしょうか。
物語が膨らむほど、いろいろな要素を見出すことができますが、その物語が一番伝えたい“軸”は、表現の違いはあれ、誰もが同じような要素を挙げることができるのではないでしょうか。
掛け合わせるというのがミソで、ひとつの要素だけで企画を練っていくと、どこかありきたりになり、人々に強く訴求するものにはならないでしょう。
また、掛け合わせる要素が似たようなものでも同様です。意外性のある組み合わせが、人々の目を引くのは実感としてもあるのではないでしょうか。
さあ、アイデアを絞り出すぞと意気込んで机に向かっても、そう容易には出てきません。漠然とした脳内から、具体性のあるアイデアを生み出すことはできないでしょう。
机に向かうまでに、いろいろな要素をまとめておく必要があります。
そこで、役立つのがメモをとることです。
聞き飽きたことかもしれませんが、やはりメモをしておかなければ、せっかく湧いてきたものは記憶から淘汰されてしまいます。
おもしろいと思った広告、セリフ、人物の癖……どんな些細なことでも、何かを感じればそれはあなただけのアイデアになります。
アメリカの作家・スティーブン・キングは幼い頃、母の何気ない言動から感じたことを膨らませて初めて小説を書きました。
彼には無意識を意識化することが、早くからできていたのです。
いつ始めても遅いことはありません。
ぜひ、メモを持ち歩いて、感じたことを書き留めてください。
自分が感じたことをメモするのに加えて、ほかの人が何をおもしろいと感じるのか知るには、やはりさまざまな作品に触れることでしょう。
作家の村上春樹氏は、いい文章を書くためには、良文も悪文も、とにかくなんでも読むことをすすめています。
『ドラゴンボール』の鳥山明氏は、膨大な数の映画を観てきた経験が、作品の構図やメカニック・動物等のイラストに生きています。
売れっ子放送作家鈴木おさむ氏も、1日最低1本の映画を観ることにしていると明かしています。
色々な作品に触れて自分のなかの蓄積が増えていけば、売れた理由、売れなかった理由を分析する“目”を手に入れることができるはずです。
それは他人の目線を手に入れたのと同時に、自分自身オリジナルの目線の獲得でもあります。
インプットしていくなかで、あれも重要、これもいつか使えると、蓄積量は増えていく一方だと思います。
ですがその全部が全部、そのままあなたのアイデアになるわけではありません。
そして、その量の膨大であること自体に満足してはいけません。
蓄積によって良し悪しを判断する目が養われたのであれば、作品の中身を詳しく点検しなくても、事前に読む・見ることは避けられるでしょう。
そういったふうに、取捨選択ができるようになれば、思い切って読まないものは読まない、と決めていいと思います。
この項目に限っては、たくさんの作品に触れてきて、頭がいっぱいになってしまった、行き詰ってしまったという方向けでしょう。
良し悪しを判断できる軸のないうちから偏食になってしまうのは、健康的ではありません。
まずはなんでも食べてみることがなによりも大事でしょう。
今回は、アイデア出しのヒントを5つ紹介しました。
「思い切って捨ててみる」こと以外は今すぐ実践できるものかと思います。
といっても、日々忙しい方は、毎日映画なんて観ている暇などない、いちいちメモを取るなど面倒だ、と思われるかもしれません。
その感情を、それこそいちどメモにぶつけてみてはいかがでしょうか。
携帯電話のメモ機能でも、レストランのペーパーナプキンでもよいでしょう。
それはあなたオリジナルの思いであり、誰かの共感を生むものでもあります。
人を感動させる立派なアイデアは、そんな小さな営みから生まれているのです。
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