書籍カバーの文字がつやつやしていたり、立体的に浮き出ていたりするのを見たことはありませんか?
こうした工夫のことを、特殊加工あるいは特殊印刷と呼びます。
特殊加工には、印刷面の保護を目的としたものや、補強を目的としたもの、ないしは装飾を目的としたものなど、様々な種類があります。
本コラムでは、中でも多く使われている特殊加工をご紹介します。
ポリプロピレン(PP)のフィルムに接着剤を塗り、紙と熱圧着して貼り合わせます。
主にカバー表面の保護や補強を目的とした加工で、耐久性や防水性がアップします。
このPP貼り加工にはグロスタイプとマットタイプの二種類があります。
グロスタイプは光沢があり、発色が濃くはっきりとした印象になります。
鮮やかな色合いの印刷にぴったりの加工です。
一方、マットタイプは光沢を抑えた仕上がりになります。
淡い印象、柔らかい色合いの印刷に適した加工です。
「ワニス」という塗料により、色落ちを防止します。
PP加工と同様、カバー表面の保護や補強のため行われます。
PP加工と比べ変色しにくく、指紋の跡が目立たないという利点があります。
出典:株式会社グラフィックホームページ「OPニス(全面)・OPニス(部分→版有)」
UV厚盛りとは、UV(紫外線)を照射することで硬化する特殊なインクを用いた加工です。
インクを厚盛りして固めることで、独特の質感と光沢が生まれます。
表面上に凹凸を作り、艶とボリュームを出して存在感をアップさせます。
出典:株式会社トーツヤ・エコーホームページ「「UVシルク厚盛印刷」とは?」
金属の型を使って金・銀・ホログラムなどの箔を用紙に貼り付ける加工です。
通常の印刷加工では出せない高級感を演出し、目立たせます。
タイトルに使われることが多いです。
直木賞・本屋大賞をW受賞した恩田陸さんの小説『蜜蜂と遠雷』でも、特殊加工が使われています。
帯の題字は金色に輝いていますが、これは箔押しです。
また、カバーを外して表紙を見てみましょう。
光沢感が出ているのは、グロスPP加工によるものです。
「特殊」とはいうものの、多くの書籍に何らかの特殊加工が施されています。
ただ単に目立てば良いわけではなく、作品の雰囲気にあった加工であるかも重要です。
本好きの方は、ぜひ「特殊加工」に込められた作り手の意味を感じ取ってみましょう。
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