現代では誰もが情報を発信する時代になりました。いつでも、どこでもインターネット、とりわけSNSなどにアクセス、投稿すれば情報を発信できます。にもかかわらず、「告発本」「暴露本」という書籍の類は次々と出版されます。あえて「書籍」というメディアを通して発信する意味はどこにあるのでしょうか?まずは書籍を「情報」という側面でとらえてみましょう。
書籍に記載されている情報は極めて信頼度が高いイメージがあります。書籍は一度、出版すると書き換えがきかず、「モノ」として残るメディアという点は見逃せません。インターネットに比べて情報の質が高いイメージの最大の理由でしょう。これは新聞などほかの活字メディアにも共通しているかもしれません。だからこそ名誉棄損など他者を誹謗中傷するような内容は細心の注意を払わなければなりません。
また、いまだに教科書が紙媒体であることも大きな意味があると思います。子供のころに教科書から学びとるという習慣が、そもそも紙媒体、とくに書籍に信頼を置く遠因ではないでしょうか。しかし、近年教科書もタブレット化する流れがあるため、この点に関しては、将来的に変わってくるかもしれません。
一つのテーマを扱う上で、書籍は量的にもちょうど摂取できる量だといえます。書籍、特に実用書、学術書やビジネス書などは基本的にテーマに沿って、読者ターゲットにあてはまるように情報の取捨選択・整理をしてつくっていきます(一般的な小説でもメインのストーリーに沿って、登場人物の掘り下げや描写についての文章が必要か不要かを考えるため、あてはまると思います)。つまり余計な情報を省き、そのテーマを掘り下げているため頭に入りやすいのです。
ここで余談ですが、紙媒体でも辞典が売れにくくなっているのは、簡単に調べられる点でインターネットが勝利していることの裏返しだといえますね。雑誌の役割も同じようなことが言えるのかもしれません。
上記のポイントを逆に考えるとうまく情報を遮断しているともいえます。ネット上で広告を消したいユーザーが増えてきているがゆえに、広告を出させないサービスが広がってきています。これは現代で情報が氾濫している中で、取捨選択しなければならないストレスがそのまま表れているといえます。
さて、書籍の「情報」はどのように捉えられているかを確認しました。では、これらのポイントを「告発本」「暴露本」に置き換えてみましょう。つまり信頼されているからこそ、その「告発」は重く受け止められ、整理、遮断されているからこそ、その「暴露」がボリュームをもって、深く伝わるといえます。そして深く伝わった情報は読者のなかで風化しにくいのです。ここは他のマスメディアと比べて、読者を拘束する時間が長いからだと思います。
幻冬舎でも郷ひろみ氏が離婚の真相を暴露した『ダディ』を出版して、ミリオンセラーを記録しました。そのときは他のメディアに一切のせずに出版したことがベストセラーを記録した要因の一つでした。もし告発本を発表するときは、どのように「告発本」を打ち出すか、使っていくかも考えるといいかもしれません。
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