自分史を書こうと思っても、何を書けば良いのかがわからず、困っている人は少なくないでしょう。
自分史に何を書くかは自由であり、その内容は十人十色です。しかし、自分史の構成には、「型」と言うべきものがあります。
オーソドックスな自分史の構成をおさえれば、何を書けば読者に自分の生きざまが伝わるかが見えてきます。
本コラムでは、自分史の基本的な構成を紹介します。自分が伝えたい出来事や思いが過不足なく詰まった自分史を執筆したい人は、ぜひ参考にしてください。
今、近くに本がある人は、本を手に取って目次を確認してみてください。おそらく、まず「まえがき(はじめに)」があり、次に数章にわたる「本編」があり、最後に「あとがき(おわりに)」があるでしょう。
自分史の構成もまた、「まえがき」「本編」「あとがき」の3つからなっていることが一般的です。以下より、それぞれの構成要素について解説します。
まえがきは、これから自分史を読む人に対し、執筆者がメッセージを伝えるために設けられる構成要素です。多くの場合、自分史の前書きには、自分史を書くことを決めたきっかけや心境、見どころが綴られます。
まえがきは、自分史の冒頭に置かれるものであるため、先に書き上げておきたくなる人もいるでしょう。しかし、まえがきは、本編をすべて書き終えてから執筆した方が得策です。
まえがきは、自分史を読むことで得られる感動や教訓などを読者にアピールする場でもあります。まえがきの出来により、読者の読む意欲が左右されると言っても過言ではありません。
まえがきの訴求力を高めたいのであれば、まずは本編を完成させ、自分史のクライマックスをつかみましょう。
本編は、自分史の本体と呼ぶべき構成要素です。多くの場合、自分史の本編は人生の区切りやテーマに応じて3章以上に章分けされます。そして、それぞれの章には、年月の区切りや出来事に応じて2~3以上の節、さらには項が設けられます。
本編の構成を考えるためには、人生を大まかに区切り、より多くのエピソードを集めていくことが大切です。
以下に、人生の主な区切りを列挙します。本編の構成を練る準備をする際には、ぜひ参考にしてください。
すべてのエピソードを集め終えたら、自分の人生において重要な意味を持つエピソードを精査します。そして、どうすれば自分の人生がより鮮明に読者に伝わるかを考えながら、エピソードを並べていきます。
エピソードの並べ方、すなわち、本編の構成の主なパターンとしては、次の3つが挙げられます。
以下より、それぞれの構成パターンについて解説します。
時系列形式とは、時代の流れに沿ってエピソードを並べていく最もオーソドックスな構成パターンです。
時系列形式を採用する人の多くは、自身が生まれたときのことを本編の筆頭エピソードとします。一方、もっと時代を遡り、祖先や両親のことから書きはじめる人も少なくありません。
時系列形式は、以下に該当する人におすすめです。
テーマ形式とは、仕事や趣味、人生の教訓など、テーマを絞ってエピソードを並べていく構成パターンです。
テーマ形式を採用する人の中には、テーマを1つに絞る人もいれば、複数のテーマを扱う人もいます。テーマを1つに絞る場合は、テーマを語るうえで最も重要なエピソードを先頭に置くと、インパクトが出ます。一方、複数のテーマを扱う場合は、テーマごとに章を独立させると、スマートに仕上がります。
テーマ形式は、以下に該当する人におすすめです。
エッセイ形式とは、人生において印象的だったエピソードをつれづれなるままに並べていく構成パターンです。
エッセイ形式を採用する人の多くは、浮かんでくるエピソードを順不同で並べています。そして、それぞれのエピソードは原稿用紙1~2枚程度の短いものであることが一般的です。
エッセイ形式は、以下に該当する人におすすめです。
あとがきは、自分史を読み終えた人に対し、執筆者が感謝の気持ちを伝えるために設けられる構成要素です。
一般的には、本を手に取ってくれたことへの感謝とともに、読者への希望がしたためられます。あわせて、自分の人生において重要な役割を果たしてくれた人々への謝辞が記されることも少なくありません。
まえがきがあれば、あとがきは不要だと考える人もいます。しかし、自分史を読んだ読者に強く伝えたいメッセージがあるのであれば、あとがきを設けることをおすすめします。
自分史の多くは、「まえがき」「本編」「あとがき」の3つで構成されています。中でも、本編の構成には、「時系列形式」「テーマ形式」「エッセイ形式」の3パターンがあります。
自分史を執筆したいと考えている人は、今回紹介した自分史の構成をしっかりとおさえましょう。そして、エピソードよく吟味し、自分の人生をより魅力的に伝えられる構成を練ってください。
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