高齢者の方が自分史の作成に取り組むことで、自身の人生を振り返ると同時に、より一層、他者に自身のことを知ってもらうきっかけとなるのは間違いありません。
特に高齢者の場合、若い人たちよりも過ごした年月が長いため、豊富なエピソードを一旦整理し、厳選することで、読者の心に響く自分史づくりへとつながります。
ここでは、高齢者が知っておくべき自分史の書き方のコツについて、わかりやすく紹介していきましょう。
高齢者が自分史を執筆する際の構成パターンとして、以下の3つがあげられます。
高齢者が作る自分史の中でも、最も王道と呼ばれる構成でしょう。
誕生から幼少期、学生時代から社会人時代と、順を追ってその時期ごとの出来事を記していく書き方です。
たとえば「誕生」であれば、次のような内容が想定されます。
「あまりよく思い出せない」という場合には、鮮明な思い出を持つであろう学生時代や、新入社員の時期などから書き進めていくと良いかもしれません。
高齢者の自分史というよりも、純文学の私小説に似た構成がストーリー方式と言えます。
ひとつのテーマを決めて、そのテーマに沿った形で展開していく形です。
仮に「恋愛」を選んだ際には、以下の内容が考えられます。
恋愛の他には、趣味などの「熱中してきたもの」をテーマにすると、スラスラと筆が進むのではないでしょうか。
いくら自分史とはいえ、いきなり長文を書くのはちょっと…という高齢者の方に向いている書き方がエッセイ方式です。おおむね1,000文字前後(原稿用紙2枚から3枚分)を目安に、自身の考えや思うことを綴っていきます。見方によっては、日記に近いかもしれません。
エッセイ方式の自分史には、無料のブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)から始めるのもおすすめです。数多く書いていくうちに、文章力が格段に上がります。自分史の完成度を高めたい方にもピッタリです。
執筆したエッセイ風の文章がある程度の数量(記事数)を超えた時点で、選りすぐりをまとめた自分史として世に出しましょう。
高齢者が自分史を執筆する際には、次のようなものが「資料」となり得ます。
資料の確認時の注意点として、アルバムなどを見入ってしまい、いつの間にか数時間が経過していたというケースです。なるべく「自分史に使えるもの」と、「自分史に使えないもの」を選別していくことを意識しましょう。とはいえ、書き出しなどのヒントにつながることも考えられるため、悩ましいところではあります。
自分史の資料集めとして、時間が許す範囲で、取材をしてみるのもおすすめです。
たとえば、生まれた場所や幼少期などに過ごした場所、通っていた学校や、勤めていた会社の周辺などを改めて訪れてみることで、新たな発見につながることでしょう。
学生時代の友人や幼少期を知っている親族などにお会いして、当時の話を聞いてみることで、自身の記憶が補完できます。忘れかけていた思い出や、自身の知らないエピソードが得られるかもしれません。
前述した時系列方式による自分史の執筆の場合、図書館で時代ごとの新聞記事や郷土史などを参照するやり方もあります。インターネットの検索機能と合わせることで、より自分史の内容に厚みや深みが生まれるのではないでしょうか。
高齢者が書いた自分史の最初の読者となるのは、他でもない執筆者自身です。ある程度区切りのよいところまで執筆したら、読み直す作業を必ず入れてください。
たとえばパソコンで執筆した原稿を、パソコンの画面だけでなく、用紙に印刷して読んでみることで、文章の見え方(印象)が変わってきます。自筆と活字でも同様です。頭を切り替え、脳の働きを休める意味においても、読み直しの作業を加えましょう。
「この表現はこう直したほうが良いな」「この部分は削ったほうがスッキリする」「漢字が違う」など、自身の書いたものを客観視することによって、文章の質が向上します。
ここまで、高齢者が知っておくべき自分史の書き方のコツとして、「3つの構成パターン」と「資料を集めよう」、そして「読み直しの作業を加える」を紹介してきました。
自分史の執筆は、自身の過去に向きあう行為とも言えます。休憩を適度に挟むことを忘れずに、あまり無理をせず、できるだけ楽しんで書いていくことを心がけてください。
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