「書けないストレス」から抜け出すには?
皆さまは、文章が書けず困った経験はありませんか?
「書きたいことはあっても、いざ書こうとすると文章にできない」
「書き始めてみたものの、すぐに手が止まってしまう」
「昔から文章を書くことに苦手意識を持っている」
文章を書こうとした際に「書けないストレス」を経験したことがある方は多いのではないでしょうか。
今回はそんなストレスを解消するべく、書けない原因と解決策についてご紹介します。
なぜ文章が書けないのか? 問題の根はただ一つ
人によって、文章が書けない原因にはさまざまなものがあります。
しかしそうした多種多様な原因も、突き詰めれば以下の一点に集約することができます。
すなわち、書くための準備が足りていないからという一点に尽きます。
言うなれば、初めての旅先で地図を持たずにうろうろしているような状態ということです。
必要な準備を怠ることなく、問題を根本から解決することで、執筆にまつわるさまざまな悩みがたちどころになくなるはずです。
それでは早速、その解決策をご紹介しましょう。
よい文章を読み、文章のリズム感を養う
「もしその文章にリズムがあれば、人はそれを読み続けるでしょう。でももしリズムがなければ、そうはいかないでしょう。二、三ページ読んだところで飽きてしまいますよ。リズムというのはすごく大切なのです。」
──村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011』(文藝春秋、2012年)
かの名作家、村上春樹氏も引用文で語っているとおり、文章のリズム感は極めて重要なエッセンスです。
例えば演奏家がメトロノームを傍らに練習するように、文章のリズム感も努力によって習熟させることができます。
作家にとっての「メトロノーム」とは、正しいリズムを刻んでいる文章、すなわちすでに世に放たれている名作たちに他なりません。
よい文章を読むことで、正しい文章のリズムは感覚として身につけることができます。
何事も、最初は模倣から始まります。
どうせ参考にするのであれば、ぜひ自分でもこんな文章が書きたいと思う憧れの作家がいいでしょう。
また、時には文章を書き写すことで、手からリズムに慣れるのも効果的です。
眼で、手で、ときには口で──体全体にリズムが染み渡ってくれば、止まっていた筆も踊るように軽やかに動き出すかもしれません。
調査を通じて情報を集め、整理する
「何から書くべきか」と悩んでいるとき、よくよく突き詰めていくと「そもそも何を書こうとしていたのか」と袋小路に迷い込むことはよくあります。
しかし、こうした考えになるのは過度に悲観的になっているせいではなく、むしろ事態を正確に言い当てている場合もあります。
つまり、「書こうとしていたことがなかった」「材料が足りていなかった」というケースです。
この場合、まずは自分の書きたい内容やテーマについてじっくり調査をしてみる必要があります。
これにより、書くために必要な予備知識が身につくだけでなく、自分が何を書きたかったのか整理することにもつながります。
例えば主人公の職業について、その業界の動向やワークスタイルを知るだけでも、主人公の行動や生活様式を描くための手がかりとなるはずです。
また単なる情報の整理だけであっても、まず手を動かしてみることで、消えかけていた執筆意欲が再燃することもありえます。
困ったときは読む・調べる。
この二つを意識して準備に励んでみましょう。