高いだけじゃない?自費出版のメリット!
ライトノベルやライト文芸(エンタメ小説、キャラクター小説など)の出版を目指している作家にとって、新人賞への応募はもちろんのこと、常日頃から作品をWeb上に公開しファンからの人気を獲得することも非常に重要です。
小説投稿サイトのなかで最大級の会員数を誇る『小説家になろう』を始めとした様々なサイトでは、毎日たくさんの作品が公開されています。このように利用者が増えた理由には、同サイトからデビューしたライトノベル作家の著書がベストセラーを果たしたことが挙げられます。
刊行したライトノベルは数百万部の発行数を誇り、アニメ・マンガ化などによる多数のメディア展開も果たしたとなれば、アマチュア作家は自分も同じようにデビューしたいと思うもの。
そしてデビューを目指し、投稿サイト出身作家の著書などを読んで人気が出るストーリー展開やキャラクター設定などを考えながら、日々原稿を執筆しているのです。
そこで今回は、そうした参考になるライトノベル作品について紹介します。
ぜひ一読してみてくださいね。
『魔法科高校の劣等生シリーズ』(佐島勤・著)
『小説家になろう』で2008年に連載を開始し、累計ランキング1位を獲得するほど人気を博したSFエンターテイメント。シリーズ累計発行部数は500万部以上の大ベストセラー。
電撃文庫から出版デビューを果たし、電撃文庫MAGAZINEでも小説家になろうには投稿していない新作が連載されました。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(大森藤ノ・著)
『小説家になろう』と同じく、小説投稿サイト『Arcadia』にも投稿され、GA文庫大賞で大賞を受賞したファンタジー作品。
後にGA文庫にて文庫化され、シリーズ累計発行部数370万部を突破。第3回ラノベ好き書店員大賞でも第1位に選ばれています。
『ソードアート・オンライン』(川原礫・著)
こちらは、著者自身が運営するWebサイトに掲載されていたバーチャルリアリティ小説で、同著者による別作品が電撃小説大賞で大賞を受賞したことをきっかけに、電撃文庫にて書籍化が決定。
シリーズの累計発行部数1,670万部を突破した大ベストセラーで、Web掲載をきっかけに書籍化したライトノベル作品“Web小説系”の代表的な作品とされています。
人気ライトノベル作品を決める宝島社の『このライトノベルがすごい!』では、過去に2冠・2連覇を記録しました。
以上、大人気作品から近年話題になったものまで、3作品を取り上げました。
これらの作品を参考にしつつ、最近のライトノベル市場の状況を把握しておくことで、より面白い作品が執筆できるかもしれませんね。
最近の市場動向については、以下に箇条書きにしましたので、参考にしてみてください。
・大手出版社のライトノベルが東京都の『青少年育成条例』に抵触し、回収騒ぎとなった。
・ライトノベルに文芸要素(キャラクターや世界観の設定よりも、ストーリー展開や細かい描写に注力したもの)を加えた『ライト文芸』が新ジャンルとして登場20代~中年層の人気を集めている。
・新潮社の『新潮文庫nex』、集英社の『オレンジ文庫』といった大手出版社によるライト文芸レーベルが毎年創刊されている。
・2016年は、KADOKAWAの『NOVEL 0』やフロンティアワークスの『ノクスノベルス』など、20代後半~中高年男性向けのライト文芸レーベルが相次いで創刊。ライトノベルのターゲットとなる読者層の年齢は確実に高くなっている。