ターゲットを絞ることが読者層拡大のカギ!? ハリー・ポッターにみるヒットの法則
『ハリー・ポッターと死の秘宝』の19年後を描いた新刊『ハリー・ポッターと呪いの子』が日本でも発売され、初版80万部と話題になりました。
67の言語に翻訳され、70カ国以上で世界的大ブームを巻き起こしたハリー・ポッターシリーズ。
今回はそのヒットの秘密をご紹介します。
ハリー・ポッターシリーズとは?
1997年イギリスで刊行された『ハリー・ポッターと賢者の石』に始まり、2007年『ハリー・ポッターと死の秘宝』で完結した、全7巻のファンタジー小説です。
主人公ハリー・ポッターの成長と、闇の帝王ヴォルデモートとの戦いが、魔法界を舞台に描かれています。
7作品すべてが映画化されており、このこともファン増加を強く後押ししています。
またテーマパークができたことで、刊行当時を知らない新たなファン層をも巻き込み、20年近くブームの波を起こし続けているのです。
ハリー・ポッターシリーズの著者ってどんな人?
著書であるJ. K. ローリングさんはハリー・ポッターシリーズの構想当時、生活保護と住宅手当を受けており、プロ作家とは程遠い生活を送っていました。
思い浮かんだアイデアは安物のノートに書きつけていたそうです。
ノートの草稿から大ベストセラーへ、誰もが夢見るシンデレラストーリーですね。
ターゲットを絞ったことがヒットの理由
実はこのハリー・ポッターシリーズ、ジャンルとしては児童書に分類されるため、対象年齢は小学生です。
子供向けのファンタジー小説がなぜ、いまや世界中の大人を巻き込むブームを巻き起こしているのでしょうか。
それは、ターゲット層が明確に設定できているからです。
特定の相手に向けて書くことで、目当ての読者に手に取ってもらいやすくなります。
まずは限られた読者層に確実に届けることで、そこから周囲の人々へ徐々に広がっていくのです。
それに対して、最初から幅広い人をターゲットにしていると、自分には関係のない本だと思われてしまいます。
とにかく多くの読者に届けようと思うと、かえって届かなくなってしまう──すこし不思議な話ですが、覚えておいて損はありません。
皆さんも原稿を書く際には読者を明確にイメージし、より「読ませる」原稿へとレベルアップさせてみてはいかがでしょうか。