売れるビジネス書・実用書のつくり方 [後編]
―2015年に開催いたしました『本のことがもっとわかる!幻冬舎主催出版セミナー』の特別企画、『売れるビジネス書/実用書のつくり方』。
その中でも特に反響があった『タイトルのつけ方』について、特別に本コラムにてご紹介いたします。
前編に引き続き、タイトルのつけ方のポイントについてお伝えしていきます。
ビジネス書・実用書のタイトル事例(7) 願望を含める
ビジネス書や実用書を手に取る読者は、書籍から学ぶことで課題を解決し、こんな風になりたい。という理想像を描いています。それをタイトルにすることで、書籍により得られるメリットをより具体的に感じさせることができます。
<タイトル例>
・病気にならない生き方
・生き方上手
ビジネス書・実用書のタイトル事例(8) 緊急性・危険性・重要性
今この書籍を読まないといけないという焦りを感じさせることで、書籍の重要性を伝える方法です。最近では、緊急性を持たせるために「○○は9割で決まる」といった数字で示すものが増えています。
<タイトル例>
・脳に悪い7つの習慣
・女性は話し方で9割変わる
・人は見かけが9割
・学力は家庭で伸びる
ビジネス書・実用書のタイトル事例(9) 強迫観念
こちらは8と近しいですが、強迫的な言葉で伝えることで、今すぐ読まなければいけないという恐怖を与える方法です。「恥」「常識」など日常的な話題から、未来への不安を煽るものまで様々なパターンが考えられますが、モラルに反する言い回しにならないよう注意しましょう。
<タイトル例>
・知らないと恥をかく世界の大問題
・常識として知っておきたい日本語
・これから食えなくなる魚
ビジネス書・実用書のタイトル事例(10) 隠された事実を暴露する
ニュースで明らかになっていない事柄を、新事実として暴露したもの。時事に強い関心がある人、世の中に不平・不満がある人に刺さりやすい表現方法です。主に生活に関わる物事や、政治・経済などのジャンルでよく見られます。
<タイトル例>
・日本経済の真実
・日本を貶めた10人の売国政治家
・食品の裏側
ビジネス書・実用書のタイトル事例(11) 新しいキーワードや呼び名をつける
書籍で取り上げる物事や事象をひと言で表します。覚えやすいため読者に認知されやすいメリットがあります。また、読者間で話題になれば流行語として選ばれる可能性もあります。
<タイトル例>
・電車男
・鈍感力
・下流社会
ビジネス書・実用書のタイトル事例(12) ギャップ系
1つの常識的な観念に対し、想像のつかない言葉を組み合わせることでギャップを生み、インパクトのあるタイトルをつくることができます。話題性を持たせたいときなどにも有効な表現方法です。
<タイトル例>
・余命1ヶ月の花嫁
・13歳のハローワーク
・考えない技術
以上がビジネス書・実用書のタイトル作りのポイントになります。これら以外にも無数のパターンがありますから、売れている書籍をチェックしどのパターンに当てはまるのかを考えてみましょう。
その上で、想定する読者に最も適したものを選択肢し、さらにいくつものタイトルを作って並べ、第三者を交えて1番良いと思えるものを選びましょう。
これだけでも気が遠くなる作業に感じるかもしれませんが、ビジネス書・実用書において書籍のタイトル決めは、販売数を大きく左右する可能性があります。
そのため、原稿作成だけで満足せず、タイトル決めも時間をかけて吟味していきましょう。