『自分史』や『自伝』の流行に伴い、自分史の書き方をまとめた書籍や、味のある書籍が簡単に作成できる自分史制作キットなど・・・。誰でも手軽に自分史を書き始められる環境が整っています。
前回に引き続き、そんな自分史の執筆・出版をしたいと考えている皆さんに、基本的な書き方や出版する上でのポイントをお伝えしていきます。
自分史は著者自身の人生が土台となり、人生のターニングポイントとなった出来事をピックアップしながら、内容が形成されていきます。
そのため、まずは自分を理解できるように、これまでの人生を振り返しってみましょう。方法としては、年表や履歴書の作成と大差ありません。
年表は、まずはざっくりと6つの時期に分けてみましょう。
誕生した時、幼年期、青年期(学生時代)、若年期(社会人なりたて)、中年期(社会人時代)、晩年期。以上に分かれます。著者の年齢によっては、晩年期はカットしてください。
それぞれの期における出来事や感じたことなど、思い出を箇条書きにしていきます。嬉しかったこと、辛かったことなど、何でも構いませんので、とにかくどんどん出してきましょう。どの期でどの程度の思い出があるかは人それぞれですので、期ごとの文章量にばらつきがあっても問題ありません。
*身元の調べ方
自分の正式な身元を調べるには、役所から戸籍謄本や除籍簿などを受け取りましょう。亡くなった親族については、当人の墓場が確認できるのであれば、位牌や過去帳から調べることができます。生存している周りの親族や墓場のあるお寺の方に協力してもらい、情報を集めましょう。
自分のことに関して書き終えたら、次に時代背景をまとめていきます。同時期に日本や世界で起きた社会現象、事件、天災、著名な人物などを調べましょう。
時代背景をまとめることで、著者がどのような環境下にあったのか、著者の行いは世の中とどのような繋がりがあり、どんな影響を与えるのか見ててくるため、文章に説得力が増します。
読者に取っても、著者がどのような人物なのかイメージしやすく、スムーズに内容を受け入れることが出来るでしょう。
*参考資料の集め方
図書館や新聞社で当時の情報を集めます。メジャーなニュースは全国誌から。地方に住んでいる場合、地方地誌や現地の資料館などから情報を収集できます。
時代背景までまとめ終わったら、自分はどのような環境で、どんな人生を送ってきたのか、大まかな流れが出来上がるはずです。その後は特に印象に残っている思い出から順に、詳しく展開していきましょう。当時何があったのか、どんな事を考えて、どうなったのか。この時点ではまだ構成を考える段階なので、本格的に文章化せず短くまとめておきます。
ここまで終えたら、いよいよテーマと構成を決めます。
年表を参考に、過去から現在までの出来事の中に見える『共通点』を探します。それがあなたの自分史のテーマになります。いつも考えていた、感じていたことは何でしょうか。
例えば、「感謝」という気持ちは一般的によく使われているテーマですね。他にも、激動の人生を送ってきた人なら、「熱意」や「熱狂」など。なかなか思い浮かばない場合は、書店で自分史を集めたコーナーに行き、タイトルを見てどんなことをテーマに挙げているのかチェックしてみましょう。
テーマが決まったら、次は構成です。自分史の構成は、一般的な文芸書の構成の考え方と大差ないと考えて構いません。年表を書き綴っていくだけの単調な文章では、読者はあまり共感してくれません。ターニングポイントとなった出来事を中心に、起承転結を意識した構成にしていきましょう。
※構成については、過去のコラムを参考にしてください。構成が決まったら各項についてさらに深掘りし、本文を書いていきましょう。
以上が自分史の基本的な書き方になります。
基本さえ掴んでおけば、プロの作家のようにアイデアや文章力が無くても、原稿を書き進めることができます。あまり気張らず、時間のあるときに少しずつ年表をつくっていきましょう。
これまでの人生を今の視点でまとめていくことで、必ず新しい気付きがあります。そんな自分史の魅力を、ぜひ感じてみてください。
次回は、自分史のジャンルについて知りましょう。
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