大賞作品
電子書籍化
『ソープ嬢殺人事件』神室磐司:著
【大賞作品 幻冬舎より電子書籍化】
■著者紹介
『風俗嬢殺人事件』
※出版にあたりタイトルが変更になりました。
(神室磐司・著)
川のほとりで、奇妙な死体が見つかった。絞殺されているにもかかわらず、抵抗した様子もなく、顔には何故か男物のハンカチが被せられている。定年間近のロートル刑事、鬼塚がこの事件を追っていくが、捜査はなかなか進展しない。最終的に3人の男が捜査線上に浮かび上がるが……。現代社会の闇を切り裂く、社会派警察小説。
大賞作品『ソープ嬢殺人事件』
編集者講評
ミステリとしての完成度が高い一方、読者の心を動かすドラマ性も持ち合わせた作品でした。
本作で描かれる事件には、背景として現代社会の闇が幾重にもこびりついています。
風俗嬢、孤児、パワハラ、ブラック大学、新興宗教、人倫よりも保身を優先する権力者、その他もろもろ、悪党ども。善人、悪人を問わず、運がいいものは幸福を手にし、運の悪いものはどん底まで落ちていく。
事件が真相に近付くにつれ、それらの闇が少しずつ読者に提示されていく構成が見事です。
事件の悲しい結末と、日常に戻った主人公の穏やかな時間の対比が、物悲しくもどこか満足感のある読後感を与える、完成度の高い警察小説です。