エッセイコンテスト

大賞作品
電子書籍化

大賞

『レインボージャーニー』高野 真衣:著

【大賞作品 幻冬舎より電子書籍化】

『レインボージャーニー』
(高野 真衣・著)


■あらすじ
仕事を辞めて、オーストラリアに飛んだ「私」。表向きはキャリアアップのための語学留学。本音は現実逃避と気分転換と遊び半分の自分探し。そんな気軽な気持ちでやってきた彼女に、次々と試練が降りかかる。現地でボランティアをしている彼氏を手伝うという約束で来たものの、正直たいしたことはないだろうとたかをくくっていた彼女は早速洗礼を受ける。泊まる場所に案内すると連れて行かれたそこは、ボロボロの廃バス。電気もなく、トイレもシャワーも丸見え。リゾート気分から一転、原始生活を強いられた彼女は、悪態をつきながらも周囲の人々に助けられ、ここでの生活に馴染んでいく。
自然とともに暮らすボランティアメンバーと心を通わすにつれて、日本での忙しい暮らしで培ってきた固定観念が少しずつ解きほぐされ、新しい価値観に目覚める。
少しひねくれた少女の成長が描かれた小説風のエッセイ作品だ。

下平 駿也 大賞作品『レインボージャーニー』
編集者講評

小説のスタイルで書かれたエッセイ作品です。本作の一番の特徴は、主人公である自分を完全に客観視し、キャラクターとして落とし込んでいるところでしょう。自分のことを描くとなると、どうしても自意識が前に出てしまいがちです。自分を良く見せようと見栄を張ったり、逆に予防線を引くために妙に自虐的だったり。特に自虐ネタというのは安全圏から自己主張が出来るため、気軽に使用できてしまうのです。しかし本作の主人公は、自虐もせず、見栄をはることもなく、赤裸々な感情を見せていきます。むしろ偽悪的といえるでしょう。斜に構えているが気は弱く、プライドは高いが小心者。そんな主人公が読者に情けない姿を見せながらも最終的に成長していくさまは、深い感動を呼びます。
巧みな構成力で組み上げられた、爽やかな読後感を残す傑作エッセイです。

幻冬舎ルネッサンス新社編集部マネージャー
下平 駿也

審査員

矢口 矢口 仁(やぐち じん) 株式会社幻冬舎ルネッサンス新社会長 兼 株式会社幻冬舎メディアコンサルティング副社長。創業時より、文芸書・ビジネス書・実用書など幅広いジャンルの編集に従事。初めての個人出版から、株式会社リクルート、株式会社バンダイ、セコム株式会社といった大手企業の法人出版まで、豊富なプロデュース実績を持つ。手がけた書籍は1,800冊を超える。
山名 山名 克弥(やまな かつや) 株式会社幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長。「プロの読者目線」を信念に、1か月に5~10冊の書籍刊行に携わる。かつては企画営業部に在籍した経験から、書店への流通・販売戦略の立案や、プロモーション戦略面についても熟知し、制作面に拘わらずそれぞれの著者に最適な出版戦略の企画立案を得意とする。趣味は食べ歩き。
下平下平 駿也(しもだいら としや) 幻冬舎ルネッサンス新社編集担当。書籍の企画立案はもちろん、出版後の販促やイベントにまで携わることで独自の“売れるノウハウ”を構築。かつてはビジネス書の販促企画チームに所属しており、企業の代表など権威ある著者からの信頼も厚い。

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