大賞作品
電子書籍化

『Birth Day』吉田 吉太郎:著

【大賞作品 幻冬舎より電子書籍化】
『Birth Day』
(吉田 吉太郎・著)
■あらすじ
大学を卒業して5年。塾講師で働く浩介に、学生時代の友人から電話がかかってくる。当時一緒にバンドを組んでいた仲間たちと同窓会をしようというのだ。成り行きで参加することになるものの、彼には気乗りしない理由があった。
かつてのバンドメンバーであり、浩介の恋人、洋子。彼女を襲った悲劇的な出来事は、浩介の心に深い傷をつけ、バンドも解散することになる。
その事件以来、建築家の夢を諦め、楽器にも触れなくなった浩介だったが、同窓会で彼らと再会してから、止まった時間が少しずつ時を刻み始める……。
失った夢を再び取り戻す、再生の物語。
大賞作品『Birth Day』
編集者講評
挫折と再起。普遍的な青春小説のテーマを爽やかに描ききった傑作です。
若い頃に一緒になって夢を追っていた仲間と再会した時、スーツ姿で髪を整えた姿にどこか寂しい想いをした事のある方も多いのではないでしょうか。変わった部分へのとまどいと、変わらない部分への安堵。この揺れる感情がよく描けています。
楽器を演奏するシーンの演出が非常に上手く、頭の中にメロディーが流れてくるような臨場感があります。特に、終盤のライブシーンの盛り上がりは極上です。そしてライブシーンから流れるように繋がるラストの場面。主人公の苦悩を丁寧に描いているからこそ、ラストシーンのカタルシスが映えるのです。
登場人物の人格がよく描けているので、それぞれの関係性が生むドラマに読者がぐいぐいと引き込まれていきます。それぞれの思惑が一本の線になり、主人公の再起に繋がる構成は、青春小説として理想的なものと言えるでしょう。
審査員
矢口 仁(やぐち じん)
株式会社幻冬舎ルネッサンス新社会長 兼 株式会社幻冬舎メディアコンサルティング副社長。創業時より、文芸書・ビジネス書・実用書など幅広いジャンルの編集に従事。初めての個人出版から、株式会社リクルート、株式会社バンダイ、セコム株式会社といった大手企業の法人出版まで、豊富なプロデュース実績を持つ。手がけた書籍は1,800冊を超える。
山名 克弥(やまな かつや)
株式会社幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長。「プロの読者目線」を信念に、1か月に5~10冊の書籍刊行に携わる。かつては企画営業部に在籍した経験から、書店への流通・販売戦略の立案や、プロモーション戦略面についても熟知し、制作面に拘わらずそれぞれの著者に最適な出版戦略の企画立案を得意とする。趣味は食べ歩き。
下平 駿也(しもだいら としや)
幻冬舎ルネッサンス新社編集担当。書籍の企画立案はもちろん、出版後の販促やイベントにまで携わることで独自の“売れるノウハウ”を構築。かつてはビジネス書の販促企画チームに所属しており、企業の代表など権威ある著者からの信頼も厚い。

