著者インタビュー

最後の最後まで編集者とひとつひとつ

決めていった体験は忘れられない

『王朝晦冥なり』

微賎の生まれであった劉裕は晋の武将として仕えていたが、戦乱のさなか晋王朝を滅ぼし、新たに宋王朝を築く。そこから続く六十年に満たない宋王朝の短い歴史は、王族間の生々しい争いに溢れていた。病に倒れた劉裕(武帝)、政治に興味のない劉義符(少帝)、自身の二人の息子に殺された劉義隆(文帝)。様々な皇帝が生まれては消え、過ちを犯していく。なぜ人は国を亡ぼすのか。宋を亡ぼし、新たに建国された齊王朝。そして、歴史は繰り返されていく―。

幻冬舎ルネッサンスから2015年に『王朝晦冥なり』を出版した相木鍾三さん。10年以上の歳月をかけて作品を書き続けてきた思いや、出版後のお気持ちを伺った。

 

―出版を決めた理由、きっかけを教えて下さい。

相木 私は10年以上の歳月をかけて作品を書き続けてきました。今、出版しなければその労力が無駄になってしまうのではないかという衝動にかられたためです。

また、中国南北朝時代の宋王朝について建国から滅亡まで一連の流れを描写した小説は少なくとも日本では書かれていないと思います。そういった作品の価値はすぐには評価されなくとも、いつか評価されると確信し出版を決意いたしました。

 

―出版社、編集者とのやりとりで思い出深かったことはありますか。

相木 編集者のアドバイスはいつも的確で非常に参考になりました。『王朝晦冥なり』は宋王朝の繁栄と滅亡を描いた中国歴史小説なのですが、私が最も苦戦したのは中国歴史小説ならではの点です。日本語では同じ読みであってもいろいろな漢字をあてることができるため、どの漢字が適当であるかよく考える必要があるのです。

その点については編集者が提案してくださり大変助けになりました。またルビ(ふりがな)についても最後の最後まで編集者と連絡をとってひとつひとつ決めたことも忘れられません。

 

―ご出版を終えられた今のお気持ちを教えて下さい。

相木 表紙のカバーデザインは著者として大変気に入っております。大家の著者の装丁と比較しても全く遜色がありません。私は無名ですが、作品の内容も大変よいものになったと自負しております。

長編の作品ですので、読みきれるかと躊躇われるかもしれません。しかし、連作長編となっており一章ごとにテーマがあり完結した一話として楽しむことができます。

そういった読者目線に立った構成のアドバイスもいただき、それが作品全体で生きていると思います。

 

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