著者インタビュー

周囲からは、口頭では伝わりにくかったことがはっきりわかって良かったと言われました。

『二十日間の浦島太郎 私が容疑者にされた日』

たった一枚の画像を思いがけず受け取ったために逮捕され、二十日間の留置所生活を強いられた著者。罪状は「児童買春、児童ポルノに係わる行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」だった。

青天の霹靂の逮捕、いわれなきネットでの中傷や心ない報道――。次々襲い掛かる苦難に仲間とともに立ち向かう。二十日間の闘いの記録と、彼を支えた仲間たちを描いた著者渾身のドキュメント。

 

幻冬舎ルネッサンスから2017年に『二十日間の浦島太郎 私が容疑者にされた日』を出版した山下重喜氏。出版を決意したきっかけや出版後の変化を伺った。

 

―出版をされたきっかけや目的は何ですか?

山下 私は2015年8月24日朝、訳も分からず突然逮捕されました。

取調べはとても理不尽さを感じ、釈放後は真実を皆さんに伝えたいと思いました。

そして世間の人に、この法律の恐ろしさを知って戴く為と、自分の名誉回復の為に本を出版しようと考えました。

また「冤罪」は、いとも簡単に作られ、それによって泣き寝入りしている人も多いと思い、その人達に力を与えられればと思いました。

 

―出版前後で何か変化はありましたか?

山下 私の周囲の方達は、新聞報道は全く信じておらず、私に遺恨を持ち貶めた刑事と告訴した人間の数人程が騒いでいるだけでした。

私を信じて下さった方達が改めて本を読まれ、留置中の私の辛さと、息子や全国の多くの仲間達の支援に涙して下さったそうです。

また口頭では伝わらなかった事などが、はっきりと分かって良かったとも言われておりました。

それにこの本を出す事で、トラウマとなった事が和らぎ、また「真実を知りたければこの本を読んで下さい」と言えるので助かりました。

 

―出版社や編集者とのやり取りで印象深かったことはありますか?

山下 担当者の方には本当にお世話になり、とても大変だったと思います。

私も頑固おやじですから、時には感情的になったりもしましたが、いつも冷静に対処して戴きました。

メールだけでなく、何かあれば直ぐに電話を掛けてこられ、顔は見えないですが、言葉でお互いの意思疎通を図れた事は有りがたい事でした。

僭越ながら私の著書の最後にもお礼の言葉を書かせて戴きました。「(こんな頑固おやじを相手に本当に)お疲れ様でした。そして有り難うございました」という意味を込めまして・・・。

 

―原稿に散りばめたこだわりや制作秘話など、ご著書の紹介をお願いします。

山下 制作に当たり、この本のサイドストリーだけでも、また一冊書けるくらいの物語がありました。

しかし分かり易く、共感を得易く、真実を分かり安くする為に苦労しました。ただダラダラ書けばいいものでもありません。

世の中には理不尽な事が沢山あります。時にはそれは人の人生をも左右する事があります。

真実を述べても「有りもしない事件を平気で作る」という事を警察はします。

自分の手柄を立てるには他人の人生はどうでも良いのかと怒りが込み上げてきました。でも彼らは法律で守られている為、何も罰せられないのです。しかしそう言う思いは原稿には書けませんでした。

私が逮捕された法律は、「誰にでも起こりうる法律である」という怖さを知って戴きたいと思いました。

告訴されれば問答無用で逮捕され、勝手に刑罰のストーリーを作られます。

一人の人間が闘うには相当強靱な精神の持ち主でないと無理でしょう。

私の場合は、有り難い事に全国に沢山の仲間や地元地域の方達がおられました。その感謝の気持ちと私の汚名返上をするには、本の出版しかないと思いました。

しかしまだまだ世の中の理不尽さはなくならないでしょう。

当時は肩書きが多かった私は絶好のターゲットとなったわけですが、肩書きがなければ場合によっては逮捕もされず、マスコミにも取り上げられなかったでしょう。

私が釈放されたあとに、同じ罪でもっと大きな事をして逮捕された人がいましたが、結局、不起訴で釈放されました。

こんなおかしな話はないと、警察にも質問状を何度か出しましたが無視されました。

ボランティアは今後も続けますが、今思う事は気を遣いながらするボランティアとは一体どうなのかを自問自答する毎日です。

 

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