著者インタビュー

上梓の日、大きな感動と達成感で胸がいっぱいになりました。

31才、製薬会社でMRとして働く僕はゲイであることを隠して平穏な日常生活を送っていた。しかし突如発覚したHIV感染の事実によって日常は一変。次々と試練が降りかかっていく…。

華道家・假屋崎省吾氏推薦。
「人間の美しい心と優しさがマイノリティの世界を変える力なのだと実感!」

幻冬舎ルネッサンスから2017年に『蒼い月』を出版した原田クンユウ氏。出版を決意したきっかけや出版後の変化を伺った。

 

―出版をされたきっかけや目的は何ですか?

原田 幼いころから読書好きで、そして常に良い子であろうとした私は、周囲に期待されるがままに医師になりました。約30年間脳神経外科医として激務の生活を送り、そしてある日、薬物に手を出してしまいました。有罪判決を受けすべてを失った私は、目の前が真っ暗になり、生きる希望も失いかけましたが、「自分が思うようにもっと素直に、自由に生きてみれば」という友人の言葉に目を覚まされたように思い、以前から興味のあった執筆という新たな目標に取り組んでみたいと考えました。

そんな時、偶然ネットで幻冬舎ルネッサンス新社の自費出版のサイトを見つけ、一筋の光を見たような気がし、今回の上梓にいたった次第です。

 

―出版前後で何か変化はありましたか?

原田 当初、「自分の小説を世の中に出してみたい」という非常に漠然とした夢物語を描いておりましたが、実際に自分の作品を編集担当の方に見ていただき、話が進むにつれ、期待と不安でいっぱいになりました。この程度のものを小説として世に出してよいのだろうか、自身の社会的状況も考えると、大それたことではないのか、などと自問自答したこともありましたが、そんな時、多くの友人や、なにより編集担当の方が励まし、そして勇気をくれました。

上梓の日、拙宅に著者分のピカピカの百冊が届き、それを手にした時、大きな感動と達成感で胸がいっぱいになり、そして本著の主人公の「佐伯亮一」と同様に、もう一度前を向いて生きていこうと強く思うことができました。私にとって今回の出版は「生きた証」を残すための自分自身へのエールだったのかもしれません。

 

―出版社や編集者とのやり取りで印象深かったことはありますか?

原田  全くの素人である私にも非常に丁寧・親切に対応していただきました。当初、ストーリーがややわかりにくい展開となっておりましたが、担当編集者の適切なアドバイスにより、読者の方々にとってよりわかりやすい内容にすることができました。また数回にわたる丁寧かつ細やかな校正により、作品がbrush upされたように思います。

東京のオフィスにご挨拶に伺った際も、温かい社の雰囲気に、なお一層の信頼を寄せることができました。

 

―原稿に散りばめたこだわりや制作秘話など、ご著書の紹介をお願いします。

原田 拙著は「HIV感染したゲイの青年がその絶望の淵からそれでも力強く生き抜いていこうとする」内容となっております。人は病の前に常に平等であり、そして無力です。本著はHIV感染者に対する同情を期待するものではなく、HIV感染に対する正しい認識を啓蒙する目的、HIV感染者やゲイの方が社会の中で人間らしく生きてほしいという願いが込められています。昨今の日本には社会的弱者、マイノリティと呼ばれる人たちに対する偏見、バッシングなど現代社会にはどこか無情な冷たい風が吹いているように思います。本来の日本人はもっと温かい心をもった素晴らしい存在であることを、私は信じております。自分自身の辛い経験から人は支えあうことが時には必要であり、それが社会の温かみであることを実感しています。自己権利ばかりを声高に主張し、相手を思いやる気持ちに乏しいことは誠に嘆かわしいことです。拙著がこのような問題を考える契機となれば幸いに存じます。

またご縁があって帯書きを華道家の假屋崎省吾先生に書いていただきました。先生からも励ましの言葉をいただき、一層の勇気をもらえた気がいたしました。
多くの方々にご覧いただければ幸いです。

 

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