洪積台地
日々草を刈る老人たちの「生」をあざやかに描く、傑作群像小説。
- ジャンル
- 小説 文学・評論 エンターテイメント
- シリーズ
- 新刊
- 著者
- 三根功治・著
- ISBN
- 9784344917064
- 判型
- 文庫 ・ 150ページ
- 出版年月日
- 2018/5/1
- 価格
- 660 円(税込)
内容紹介
敬吉は、東京西部のK市のシルバー人材センター除草班に勤める60歳。市内の開発予定地や駅前など、市内のさまざまな場所で除草作業に精を出す毎日を送っている。同僚には、敬吉の父親ほどの年齢で、この道数十年のベテラン作業員の忠さん、胃がんを患い二度の手術を受けた角さん、体力の衰えから勇退を決めた修平さん、除草班のパイオニアでもある、最長老の徳さん、元議員で、「人間ブルドーザー」的な馬力を備えた呉さん……と、いずれもユニークな面々ばかり。黙々と草を刈るかれらの一人ひとりに人生があり、うかがいしれない思いがある。かれらを見ながら、敬吉もまた、今日も黙々と草を刈る──。
だれしもが、いつかは老いてゆく。武蔵野の洪積台地の上に根を張り、日々草を刈る老人たちの「命」のありさまを淡々と、しかしあたたかいまなざしで描く、連作群像小説の傑作。
■著者紹介
1951年、兵庫県生まれ。早稲田大学卒業後、川崎サレジオ中学・高等学校教諭、学習塾講師、埼玉・茨城方面での塾経営などを経て現在に至る。尊敬する人物はソフォクレス、エマーソン、南方熊楠ほか。著書に『てい女曼荼羅』、童話に『ある春の日に』、『ふしぎなかまくら』などがある。趣味は園芸、仏像彫刻ほか。国分寺市在住。
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