努力の果てに待っていたのは脱毛なのか……。仕事のストレスから前髪が後退してしまった主人公クルミ、34歳。彼はそんな生活と自分の心をリセットするため旅に出るが、富良野で車に轢かれ6か所の骨折と脳挫傷を負い、意識不明の重体となる。旭川の病院に運ばれたあと、奇跡的に意識が戻り、横浜、東京と転院を繰り返し、治療に専念する。行く先々の病棟には、クルミと同じように髪の薄さに悩む人たちがおり、日々対策会議が開かれていた。そんな折、突然キレたり人や物の名前が出てこなかったり、今何を話していたのかわからなくなったりと、クルミの言動があやしくなる。障害と、加害者側の保険会社との均衡に疲れ果てたクルミは自殺を考えるほど追い詰められるが……。強烈なキャラを持つあたたかい人たちに支えられ、クルミは育毛に成功するのか？　そして自分を受け入れることができるのか！？