ハマの風 富貴楼お倉物語
横浜の歴史、近代日本の歴史は、富貴楼から始まる。
- ジャンル
- 単行本 文学・評論
- シリーズ
- 増刷 その他
- 著者
- 樋口 いく子・著
- ISBN
- 判型
- 4-6 ・ 320ページ
- 出版年月日
- 価格
- 1650 円(税込)
内容紹介
明治の横浜に、富貴楼という料亭があった。その女あるじ・お倉は、女傑と呼ばれ、当時の政財界を手玉にとっているともいわれたほどである。実際のところ彼女が、料亭を訪れる伊藤博文、井上馨、岩崎弥太郎といった明治維新の大物たちをただもてなすだけでなく、叱り、たしなめ、癒すといった高度なサービスの才能の持ち主であったおかげで、日本の近代化は強力に押し進められていったといっても過言ではない。創成期の横浜には、そういった自由でやる気に満ちた空気に満ち溢れていた。お倉は本名を渡井たけといい、浅草一の水茶屋の看板娘として名をとどろかせたこともある。器量、客あしらい、立ち居振る舞い、どれをとってもこの頃から秀でたものがあったものの、男運は悪いのか、出会った男達によって、女郎に何度も身をやつす。がその経験をも人生の醸造期間として、彼女が横浜において輝やかしい香りを放つことになった要素のひとつに変えている。 幕末から明治にかけての激動の時代に、常にピンチをチャンスに変えてきた女性の、これ以上ないかっこいい生き方に勇気づけられる、横浜開港150周年を記念した歴史小説。
横浜市在住。医師。
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