表現者インタビュー
『がんでは死なない』が刊行されました。今のお気持ちはいかがでしょうか。
この書籍で今回書き記したことは私だけに起きた奇跡ではありません。皆さんに起こり得ることだと声を大にして言いたいです。この先の時代では、がんを完治することが当たり前となり、「がんでは死なない!」という私の言葉は陳腐なものになるでしょう。「なんかスゴイオバハンがいたな!あの人にだってできるんだから、乗り越えられない壁はない」と自分に限界を感じた際にこの本を読んで、皆さんが活力を取り戻していただけたら幸いですね。
今回出版しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?
ステージⅣのがんから戻ってきた私には、さまざまな反省を含めて、自分が体験したことを伝える使命があると感じています。私は余命三カ月と言われても、まったく死ぬ気にはなりませんでしたし、怖くありませんでした。それは「がんでは死なない」と直感したからです。大人の間には、がんはまだ「死の病」という意識が根強くあり、私の周りにも実際にがんで亡くなった方々がいらっしゃいます。私は、皆さんに、たとえがんにかかったとしても弱きにならず、普段と同じ毎日を送っていただきたく、この本を書くことにしました。
どんな方に読んでほしいですか?
現在がん治療中の方、そのご家族、ご友人、だけでなく医療従事者の方々やがんに対して漠然とした懸念を抱いていらっしゃる方、どなたにでも読んでいただきたいと思います。孤独や不安で押しつぶされそうになったとき、この本が前向きに生きる支えとなれば嬉しいです。