最後に息子夫婦、娘たち、孫たちと写っている写真を紹介させていただきます。
私は息子や娘たちに対して、命令口調で「こういう風にした方がいい」と決めたがるところがありました。子どもたちからは「何でも経験しないで決めることはできないから、自分でやってみて結論づけたい」と言われます。それをもっともな意見だと理解しながらも、固定観念から相手の意見を尊重することができず、常にイライラとしていました。私は家族に対しては横柄だったのです。ストレスばかりを感じていて、やさしくなれない自分がいました。「世の中、すべて感謝ですよ」と人に言いつつも、自分がその意味を一番理解できていなかったのです。がんを患い、自分を顧みたときに、「家族間のそういう状況を生み出したのは、自分自身のせいだったのではないか?」という思いに至りました。私は何でも人のせいにしているうちに、自分自身にダメージを与えて、がん細胞を増やしてしまったと気づいたのです。その気づきによってこの書籍で私が実践している「がんちゃん、傲慢な私に気づきを与えてくれてありがとう!もしがんになってなかったら、今の自分をずっとわからないままだった…」という、私とがん細胞との対話が始まりました。
息子には今回、治療にかかわる一連のことでどれだけ助けられたかわかりません。息子が一緒に人間ドックに入ってくれなかったら、そもそもがんを発見できませんでした。ノーベル賞により話題になっているオプジーボも息子が熱心に調べてくれたことで見つけた治療法です。息子をはじめ、家族には心の中でいつも有り難いと思っています。なかなか「ありがとう」という言葉は素直に言えませんが、絶対的な感謝の度合いは深まっているので、これからも心から感謝できる人間になりたいと思っていますし、人から感謝されることを増やしていきたいですね。